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公立大学法人 福岡県立大学

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公共社会学科

社会調査実習

 社会調査実習は、10人程度のグループに分かれてそれぞれでテーマを設定し、インタビューや質問紙調査の企画から実施、得られたデータの分析、報告書の作成に至るまでを学生が主体となって行う実習の授業です。

 今年度は、「田川地区における農業の課題と実践に関する調査」、「北九州市の暮らしと仕事に関する調査」、「福岡県内の自治体における男女共同参画の状況に関する調査」の3つのグループで調査を進めています。

田川地区における農業の課題と実践に関する調査

 私たちのグループでは3班に分かれて調査を行っています。「田川地区における農業の課題と実践」に関して、各班が自ら関心を持てる問いを見つけ、統計データ分析やフィールドワークを通して、設定した問いについて分析しています。
 花.JPGA班は、主に田川の農家の高齢化、後継者不足の課題について調査しています。調査の一環として行ったフィールドワークでは、比較的若手で農業を引き継がれた田川の農家さんにインタビューをしました。大学の身近なところで農業に携わっている方と関わる機会は貴重で、実際に農家さんが何をしているのか、どのようなことを考えているのかといった実態について学ぶことができました。そして、インタビュー後はテープ起こしをすることで調査の記録を残し、すべてのインタビューを終えたら報告書の執筆に取り組んでいく予定です。どれも初めて経験することですが、担当である福本先生のもと課題について考えていきたいです。
飯谷 華子 愛知県立大府高校出身
 
 私たちB班は主に農業の鳥獣被害について調査しています。私たちは実際にジビエ猪之国に行って田川市の猟友会の会長さんにお話を伺いました。そこはイノシシやシカなどを捕獲して解体する場所ですが、それらの動物は畑を荒らす害獣でもあることを直接お聞きしました。またそういった害獣は人の手が加わらなくなった耕作放棄地での活動が多いなど、事前にインターネット等で調査した情報と一致していることがわかりました。実際に農業に関わる人のもとに出向くことで、よりリアリティのあるお話を聞くことが出来るだけでなく、情報のすり合わせや本題に関する知見も大いに得られることができます。実際の課題とその解決策とのギャップに驚きながらも理解が深まっていく楽しさは班員共通で感じています。
可兒 功己 広島県立尾道東高校出身
 
 パプリカ.JPGC班は主に農作物のブランド化について調査をしています。私たちは田川市がブランド化に取り組むパプリカ、「ピュアパプリカ」に焦点を当てました。先日は田川市内の唯一のパプリカ生産者で、パプリカを20年間育てている荒牧忠勝さんにインタビューを行いました。荒牧さんはパプリカの育て方を学ぶために大分県まで足を運んでいたそうです。またピュアパプリカを生産するうえで化学肥料ではなく有機肥料を使用したり、その肥料の調合を毎年かえたりするなどのこだわりを持っていました。ブランド化を目指すピュアパプリカは荒牧さんの努力とこだわりが結実されたものだと感じました。荒牧さんに学んだことから、田川市の農作物のブランド化について分析を進めていきたいと思います。
五島 若奈 北陸学園北陸高校出身
 
「田川地区における農業の課題と実践に関する調査」グループ 担当教員:福本純子

北九州市の暮らしと仕事に関する調査

 私たちのグループでは、「ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)」をテーマに、北九州市の暮らしやすいまちづくりについて調べています。

 2022年9月30日~11月4日に「北九州市の暮らしと仕事に関する調査」(アンケート調査)を実施いたしました。これまでに多くの方々からご回答いただきました。お忙しいなかご協力くださった北九州市の皆様に感謝申し上げます。

 IMG_8354.jpg現在はご返送いただいた調査票のデータ入力作業を進めています。今後は回収したデータをもとに、「子育て世帯が日々の生活のなかでどのような不安・困りごとを抱えているか」「北九州市のワーク・ライフ・バランス施策はどの程度認知されているか」「結婚や出産をすること、仕事でキャリアを積むことについて、人々がどのように考えているか」などの観点から分析を進め、報告書にまとめていきます。

 1200人という大人数を対象とした調査を自分たちで企画・準備し、実際に行うことは大変な作業ではありますが、社会調査のやり方を身に付けるための貴重な経験となりました。この実習を通して、地域の課題を発見する力、課題を分析するためのデータを集める力、解決策を考える力など、現代社会を生きていくために必要なさまざまな力を身に付けていきたいと思います。

「北九州市の暮らしと仕事に関する調査」グループ受講生一同

担当教員:黒川すみれ

福岡県内の自治体における男女共同参画の状況に関する調査

 「福岡県内の自治体における男女共同参画の状況に関する調査」をテーマとする私たちのグループでは、福岡県立大学が立地する田川市に焦点を当て、男女共同参画に関する政策や地域で活動する団体の活動などについて、調査を行っています。これらの調査から、地域の男女共同参画の現状と課題、また解決策について、分析を行います。

 男女共同.jpg具体的には、田川市を中心とした地域で男女共同参画・ジェンダー関する活動を行っている団体・行政への聞き取り調査や、田川市で行われる男女共同参画に関するイベントでの参与観察などを中心に調査を進めています。これまでの実習の中では、地域や男女共同参画に関する情報収集と受講生間での意見交換を行ったり、実際に行政で男女共同参画に関わっている方をお招きして、男女共同参画社会に向けての今までの取り組みや歴史、現状や課題について、聞き取り調査を行ったりしてきました。今後は、地域で子育て支援や男女共同参画に関する活動を行っている団体へのインタビュー調査や、田川市男女共同参画センターが実施するイベントでの参与観察調査などを行う予定です。年度末までには、これらの調査の結果を分析し、報告書にまとめていきます。

 今まで学科の授業で調査方法について学んできましたが、実際に調査を行うなかでその難しさを実感しています。ただインタビューなどをするのではなく、調査を通して明らかにしたいことを見据えたうえで、自ら質問や聞き取りを行わなければいけません。慣れないことも多く、大変だと感じることもありますが、学んだことを早いうちから実践できるいい機会だと思っています。インタビュー結果を文字に起こすテープ起こしなどの実際の作業も実習を通して初めて経験することばかりです。この社会調査実習で得た知見や能力は、これからの学びにも深くつながり、個人研究にも必ず役に立ちます。今後の調査も最後まで責任をもって取り組みたいと思います。

甲斐 遥 大分高校出身

「福岡県内の自治体における男女共同参画の状況に関する調査」グループ 担当教員:坂無淳

循環型社会形成のための田川市民の意識・ニーズの調査2021

【調査計画から報告書作成までの道のり】

  • 2021年 4/13 ガイダンス
  •  4/20 田川市産業会議の方を交えた話し合い
  •  5/11 田川市(概要)の調査、伊田商店街での聞き取り
  •  5/18 先行研究から仮説を作成
  •  5/25~6/15 仮説、調査項目の設定
  •  6/22~6/29 質問項目の検討
  •  7/6  プリテストの実施
  •  7/27 田川市産業振興会議メンバーが参加しての質問紙についての意見交換、完成

  •  7/13~7/20 質問項目の精査
  •  8月 田川市選挙管理委員会でのサンプリング
  •  10/7 田川市産業振興会議メンバーが参加しての封詰め作業
  •  10/8~11/3 実査、電話受付
  •  11月 回収した調査票のデータ入力、クリーニング、SPSSを
  •      用いた分析
  •  12/16 中間報告会
  •  
  • 2022年 1/20 田川市産業振興会議メンバーが参加しての分析結果の報告会
  •  3月末 報告書の完成 ➡社会調査実習報告書ダイジェスト版
  •  8/18 福岡県中小企業家同友会主催「中小企業魅力発信月間大勉強会」で報告! ➡大勉強会

※田川市産業振興会議・実務責任者会議は、「中小企業の経営基盤の強化や市民やそこで働く人々が生きがいと働きがいを見出すことができる豊かで住みよいまち」の実現に向け、2015年制定の田川市中小企業振興基本条例に基づき2016年に設置された会議です。同会議は、市内中小企業2,104社の実態を捉えるために「田川市中小企業振興基本調査」を行い、その調査結果を基に、2019年に企業、市民、学校・大学、関係団体、行政が連携して進むべき指針とする「田川市中小企業振興ビジョン」を策定しました。そして、「田川市中小企業振興ビジョン」を実現させるための次なる一歩として着手することになったのが、田川市にお住まいの皆様の田川に対するお考えや生活上の困りごと、ニーズの把握でした。

「循環型社会形成のための田川市民の意識・ニーズの調査」グループ 担当教員:佐野麻由子

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