専門看護師とは
専門看護師の認定を受けるには、ある特定の専門看護分野において卓越した看護実践能力を有すると認められたもので、日本看護協会の専門看護師認定審査に合格しなければなりません。
専門看護師には、複雑で解決困難な看護問題をもつ個人・家族や集団に対して、水準の高い看護ケアを効率よく提供するために特定の専門看護分野での深い知識と技術が必要です。
具体的には以下のような「実践」「相談」「調整」「倫理調整」「教育」「研究」という6つの役割を担っています。
- 実践
専門看護分野において、個人・家族及び集団に対して直接的な看護を実践する。
- 相談
専門看護分野において、看護職を含むケア提供者に対してコンサルテーションを行う。
- 調整
専門看護分野において、必要なケアが円滑に行われるために、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーションを行う。
- 倫理調整
専門看護分野において、個人・家族及び集団の権利を守るために、倫理的な問題や葛藤の解決をはかる。
- 教育
専門看護分野において、看護職に対してケアを向上させるために研修会、研究指導及び講演会等での多様な教育活動をする。
- 研究
専門看護分野において、専門知識及び技術の向上並びに開発をはかるために実践の場における研究活動を行う。
専門看護分野とは、変化する看護ニーズに対して、独立した専門分野として知識・技術に広がりと深さがあると日本看護協会の専門看護師認定制度委員会が認めたものをいいます。現在、専門看護分野として認められているのは以下の9つの分野です。
- ・がん看護
- ・感染症看護
- ・急性・重症患者看護
- ・小児看護
- ・精神看護
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- ・地域看護
- ・母性看護
- ・慢性疾患看護
- ・老人看護
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専門看護師になるには
- 保健師、助産師及び看護師のいずれかの免許を有していること
- 日本看護系大学協議会専門看護師教育課程基準で指定された内容の科目単位(26単位)を取得していること
- 保健師、助産師及び看護師の資格取得後、実務研修が通算5年以上あること
そのうち通算3年以上は専門看護分野の実務経験であり、その経験のうち1年以上は専門看護師に必要な所定の教育終了後の実務研修を含むこと
日本看護協会から専門看護師として認定されると、認定証が交付されますが、その後認定を受けてから5年ごとに更新審査を受けなければなりません。その際には、過去5年間に規定された看護実績、研究業績及び研修業績等を有している必要があります。
(参考資料:社団法人日本看護協会ホームページ)