ブックタイトル県立大 インターンシップ 29

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概要

県立大 インターンシップ 29

佐藤 和己(社会福祉学科1 年)夏季における福津市はFUCSTA での実習を経て、将来の方向性が子供の支援へと向いたため、春季のプレ・インターンシップは母校である古賀市立千鳥小学校にお世話になった。私は現在、塾でのアルバイトや、不登校児のボランティアなどで、中高生と関わる機会は多いのだが、小学生と関わる機会はそこまでなかった。また、田川市における子供の現状を知っていくにつれて、自分のふるさとの子供たちはどのような状況にあるのかと気になったため、今回古賀市立千鳥小学校に決めた。7 年ぶりということで、ワクワクドキドキしていたが、実際当時の私を知っている先生は在籍しておらず、少しさみしかった。実習の内容は、SSW を目指す私のために、教頭先生が教育実習とは少し異なるカリキュラムを考えてくれた。5 日間で1 学年から6 学年全クラスを回る、「心の相談室」の奥山先生の仕事の見学、面談、児童支援の沖永先生のお仕事の見学、面談など、貴重な体験をすることができた。1 日目、朝、児童の遅刻、欠席、無届の対応を見学した。「学校には来ていないが家はでているという状況は避けたい」と沖永先生は一人一人の家庭に連絡を取り、担任の先生とも緻密な連携をとり、児童の状況把握に朝から忙しそうであった。その後は低学年を中心とした授業の見学だった。教室に入るごとに子供たちは私に挨拶してくれて、ひっぱりだこになり嬉しかった。2 日目は九州産業大学院生の奥山先生と一日一緒に行動させていただいた。県外から引越してきて、クラスになじむことの出来ない女の子と一緒にお絵かきやトランプなどをして一日を過ごした。その子と一緒に過ごす中で奥山先生は児童を心理的なアプローチから分析し、担任の先生と様子を共有していた。これまでの報告書を拝見させていただいたが、奥山先生と時を過ごす児童は少なくはなかった。今の子供たちの状況が氷山の一角ではあるだろうということが見えて、考えさせられるものがあった。この日の体験は私の中で非常に大きなものになった。3 日目は沖永先生にいろいろお話をさせていただく機会を設けてもらった。沖永先生も古賀市出身で、昔ながらの人脈で地域と子供たちと学校をつなげているそうだ。また、一人でたくさんの市の役職もかけもっており、教育委員会や古賀市のサンコスモにある家庭児童相談室と連携をとり、児童の情報交換や家庭の情報交換を行って、子供たちを支えていた。担任のクラスを持っていないにもかかわらず児童一人一人全員を把握しており脱帽した。4 日目は、のびのび学習と呼ばれる地域の方が赤ペン先生として児童が競って解いた算数のプリントを採点するという時間を見学させてもらった。地域と学校のつながりの強さが目に見え、高齢者の方が多い中、高齢者にとっても良い刺激になるだろうと思った。最終日は高学年を中心にクラスを回った。やはり高学年にもなると大人びた児童も多く自分の中で対応が今までと違うなと気づいた。子供扱いしすぎてもいけないと、今までの経験から順応できた。最終日ということで、児童たちからもさみしがられ5 日間という短い時間であったが多くの子供たちに受け入れてもらい光栄だった。夏、そして今回の実習を通して、たくさんの個性豊かな子供たちが居て、やはり家庭環境から苦しんでいる子供や心や体に障害を持っていて勉強に遅れが出ている子供も当然居て、そんな子供たちを支援し、心地よく育っていける環境を整えてあげることが大人の責任であると思った。合わせて10 日間の実習を経て、私は教師とはまた違うナナメの関係性から子供たちにアプローチし支援できる大人になりたいと強く思った。そう具体的にイメージさせてくれた充実した実習であった。92