ブックタイトル福岡県立大学 インターンシップ報告会

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概要

福岡県立大学 インターンシップ報告会

活動報告4.プレ・インターンシップ西表美歩(社会福祉学科1年)私は、平成27年8月11日~17日に大任町役場の住民第二課・社会福祉課、8月18日~24日に田川市立病院でプレ・インターンシップを行いました。大任町役場では、行政の視点からの福祉を、田川市立病院では医療現場における福祉を学ぼうと思い、この二つの事業所へ体験に行くことを決めました。大任町役場では、文書整理、平成27年度臨時福祉給付金の書類処理及び、申請者への振込や新規口座登録、障がい者日常生活用具等の申請者の名簿作成、更生医療申請事績の資料整理、保育費等の督促状の封筒詰め、生活保護費の受け渡しなど、様々なことを体験しました。文書整理では、役場が行っている地域の福祉的取り組みや民間組織・団体とのやり取りなどを知ることができ、高齢者や障がい者、低所得者を支える取り組みにはどのようなものがあるのかを学びました。福祉に関する様々な制度についての勉強もでき、どんどん変わっていく制度と、それに対応する現場の大変さを知ることができました。大任町役場で私が得た学びは主に二つあります。まず一つは、報告・連絡・相談の大切さです。円滑な業務の遂行のためには報告・連絡・相談が非常に重要であると感じました。そしてもう一つが、コミュニケーションマナーの重要性です。実際に職場の中にいると、たくさんの住民の方々が足を運んでこられるのを見ました。足を運ぶ理由としては、制度を利用するための申請手続きの仕方がわからない、というような方が多く見受けられました。その際の、職員の皆さんの対応が非常に丁寧で親しみが感じられ、住民の方たちとゆったり世間話などもしていて、窓口が単に手続きの場ではなく、温かな交流の場となっており、職員の方たちが、住民の方が足を運んできやすい環境づくりを意識されているのがとてもよくわかりました。田川市立病院では、総務の事務処理の手伝い、紹介患者様の受付業務・医療ソーシャルワーカー(MSW)さんの業務・訪問看護の各所見学等をしました。田川市立病院は急性期病院で、そこにおけるMSWの役割は主に退院支援です。退院支援には、在宅治療や施設への転入等もありますが、田川市立病院においては専ら他病院への転院が多いそうです。そこで私が得た学びとしては、MSWさんが在籍する医療連携室では、主に田川市立病院と田川市郡内の他病院との橋渡しの役割を担っているということです。また、実際にお話を伺ったMSWさんは、「理想としては、患者さんが何に困っているのかを言ってくる前にリサーチして、それぞれのニーズに対応したサービスの選択肢を提示すること」とおっしゃっていました。私は、どんどん変わっていく法制度と、変わらない現場の歪さを感じ、全ての状況に対応しきれない「制度」の難しさを感じました。そこを補うために私が大切だと感じたことは、このケースにはこの対応、というように枠にはめて考えない、柔軟さです。今できることの中で「これができるのでは、あれができるのでは」という試行錯誤がSWには求められていると思います。もう一つの学びは、MSWは病院や施設間だけでなく、患者さんと看護師や医師との間の橋渡しを行っていることです。面談や手続きなどのその場限りの関係にせず、「つながり」を保つことを大切にしていることを知りました。二つの事業所でプレ・インターンシップを行って得た学びの共通点として、「コミュニケーションの大切さ」がありました。職員同士でのコミュニケーションの充実は、業務を円滑に進めたり、地域の方々や患者さんに対してのより良いサービスにつなげたりすることができます。地域の皆さんや患者さんとのコミュニケーションの充実は、信頼関係を築くことに繋がり、それによって、その方々が抱えている悩みや問題に気づく足掛かりをつくることができます。コミュニケーションは、人と人との間を繋ぎ、それを保つための大事な行為であると学びました。個人や組織、団体の間の調整役も担う対人援助職を目指す私にとって、この学びは非常に重要なものでした。63