ブックタイトル福岡県立大学 インターンシップ報告会

ページ
38/152

このページは 福岡県立大学 インターンシップ報告会 の電子ブックに掲載されている38ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

福岡県立大学 インターンシップ報告会

受けました。インターンシップに参加する前は、法務教官は、少年に対して厳しく権利を持って接するのだというイメージをどうしても抱いてしまっていました。私は非行に至ってしまった少年たちと関わりたいという気持ちで法務教官を目指していましたが、その一方で「怒るのが苦手な自分はこの仕事をしっかりやっていけるのだろうか」という不安がありました。しかし、このインターンシップに参加して、厳しくすることは時に必要であるけれど、重要なのは「どう伝えれば相手は分かってくれるのか」ということであることを勉強させていただきました。少年院は本当にさまざまな家庭の事情、本人の特性を持った子が集まる場所です。男子少年院と違い、女子少年院では、発達障害、情緒障害の重い子も、そうでない子の集団の中に入れられることとなります。少年一人ひとりに、その子に合ったわかりやすい言葉かけや伝え方を探り実践する重要性を改めて知りました。丁度、このインターンシップは採用試験の合格発表前に行われていたので、私は「不合格だったらどうしよう」という不安を抱えたまま参加という形になりました。参加する前は、今年度が不合格だったら浪人するかどうか非常に迷っていましたが、このインターンシップに参加して、「浪人してでもなりたい仕事だ」と思えるようになりました。インターンシップでは、普段は決して入れない現場に行かせていただき、実際の少年たち、法務教官の方々の姿を拝見したことで、インターンシップの参加目的であった自分の課題を見つけることが出来ました。まず一つ目の課題は、少年に対し、短く分かりやすい言葉かけをできるようになるべきだということです。教官の先生方は、少年たちに対する適切な言葉かけを瞬時に行っていました。さきほども申しました、少年たちそれぞれに合ったわかりやすい伝え方を探り実践することも重要ですが、少年が不適切な言葉を使用してしまったときの対応も重要だと思いました。教官の先生方は、不適切な言葉を使用してしまった少年に対してそれをただ責めるのではなく、「そういうときは○○と言った方がいいよ」と言い換えた言葉を少年に教えていました。ただ責めるのではなく適切な言動を教える方がいいということは、大学でも学んでおり理屈はわかっていたつもりでしたが、実際にやることは難しく、語彙力がものを言う場面だと思い、自分には身についていないと思いました。もう一つの課題は、体力と集中力をつける必要性があるということです。このインターンシップに参加する前から、朝走るなどして体力をつけようとしていましたが、それでも体力的にきついと感じました。実際に法務教官は休憩なしに何時間も立ちっぱなし、動きっぱなしということが多くあるので、インターンシップでさえ疲れきっているとなるとこの仕事はやっていけないと感じ、さらに体力をつける必要があると考えました。おかげさまで、法務教官の試験に合格し4月から法務教官として、「丸亀少女の家」という四国の女子少年院で働くこととなりました。このインターンシップで学んだこと、大学4年間で経験したことを活かし、これから出会う少年たちの問題解決を手伝い、出院後に夢や目標を持って生活してもらえるよう関わっていきたいと思います。34