ブックタイトル福岡県立大学 インターンシップ報告会

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概要

福岡県立大学 インターンシップ報告会

活動報告2.インターンシップ河崎麻希(人間形成学科4年)私は、7月28日から30日の3日間、「法務省人間科学系インターンシップ」に参加しました。このインターンシップは、心理学などを専攻する大学生・大学院生を対象としたインターンシップです。このインターンシップでは、少年院では矯正教育、少年鑑別所では鑑別実施手続の見学実習などを行い、普段は見ることのできない法務教官や保護観察官などの業務を深く理解する目的で行われています。私は、卒業後の進路として、法務教官を志望していたので、法務教官の業務を体験し、法務教官として働くうえでの自分の課題を見つけようと考え参加しました。体験先は、福岡市にある女子少年院「筑紫少女苑」です。この「筑紫少女苑」は、九州で唯一の女子少年院です。「筑紫少女苑」では、家庭裁判所から保護処分として送致された14歳以上20歳未満の少女を収容し、改善更生及び円滑な社会復帰を図ることを目的としています。法務教官とは、少年院や少年鑑別所などに勤務する専門職員です。例えば少年院では、健全なものの見方や考え方を指導する生活指導や、その他にも教科指導、職業指導などの矯正教育を行い、出院後の生活環境の調整など、円滑な社会復帰につなげるための支援を行います。少年たちと真剣に向き合い、自立への道と社会復帰への道を指し示す仕事です。そもそも私が法務教官を志したきっかけは、現在、サークル活動で「筑豊地区BBS会」で活動させて頂いていることなどから、多くの非行に走ってしまった少年たちに出会ったことです。筑豊BBSでは、「更生保護施設・田川ふれ愛義塾」への訪問活動をさせていただいており、毎回そこで生活する少年たちと歓談やトランプを楽しんでいます。「田川ふれ愛義塾」で生活している少年たちは、少年院を仮退院中であったり、非行問題で児童相談所で生活していた経験があるなど、さまざまな事情を抱えています。彼らの抱えている問題に目を向けると、家庭で親から必要な養育を受けてこなかった、学校で不適応を起こしてドロップアウトしてきたなど、必要な社会経験を積んでおらず、またそれが非行の原因になっているという少年がほとんどでした。そこから、彼らは加害者である前に、被害者であったことを痛感しました。少年院に送致された加害者である少年たちの、被害者である部分を受け止め理解し、問題の解決を手伝いたいと思い、法務教官を志望するようになりました。今回の研修では、主に少年院での少年たちの生活の見学を行いました。参加した学生は法務教官ではなく一般人なので、インターンシップとはいえ少年たちと話すことなどはできませんでした。しかし、その中でも、運動の時間には、一緒に運動をすることができました。このインターンシップで少年たちの生活を見学してみて、まず感じたことは、少年院送致が決まった子たちだとはいえ、根は普通の女の子だということです。教官の先生にほめられれば、嬉しそうな表情を浮かべますし、歌もしっかり歌ったり、クラブ活動も一生懸命参加していた姿などを後ろから見ていて、「この子たちは本当に悪いことをしたのかな」という考えがよぎりました。また、その一方で、部屋で一人で泣いている子もいて、先生が対応しているところを壁越しに見ました。このとき、少年院で生活する少年たちは、根は年相応の子でも、重いものを背負ってそこに来ているのだと思い、先生たちと共にひとつずつ問題を解決していき、幸せになってほしいと感じました。また、インターンシップでの経験を通して、女子少年院は想像していたより「温かいな」という印象を33