ブックタイトル福岡県立大学 インターンシップ報告会

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概要

福岡県立大学 インターンシップ報告会

活動報告4.プレ・インターンシップ深瀬かずほ(社会福祉学科1年)鎮西小学校でのプレ・インターンシップを通して感じたことは、子どもと接すること、教育に関わることはとても大切だけど、とても難しく、険しい道を歩まざるを得ないことであるということです。私は幼稚園から今までずっと、鹿児島子ども劇場という団体に属しています。子ども劇場は観劇や美術に触れたり、キャンプ活動、グループ活動など、多岐にわたる異年齢活動を通して、社会問題や教育、世界等について考えられる心を養うのを目的とした組織です。私はそこで、年上の青年たちに指導される立場、自分が青年になって年下の子たちを指導する立場、どちらも経験しました。だからほかの同年代の青年より、子どもたちの気持ちも接し方もわかっていると思っていました。でもそれは間違いだった。まず子どもたちの人数の多さに圧倒される。小学校の1クラスだから大体20、30人前後?これから2週間で補助程度とはいえ、この子たちの先生になるのか…やっていけるのか?という心配が先に立ちました。そして体力が追い付かない。皆とにかく元気で、休み時間には必ず外に行って鬼ごっこをしていました。当たり前だけど子どもたちも皆違って、とにかく生意気でじっとできない子、ずっと私にべったりくっついてくる子、様々でした。私は先生だから、一部の子だけ構うのはおかしい、できるだけほかの子とも話したい。だからくっついてくる子にそれとなく離れるように伝えたいと思ったけどダメでした。私の中に好意をもって近づいてくる子を傷つけずに少しだけ距離を置くうまい言い方がなかったから。暴力沙汰を起こす子を柔らかい言い方で注意することもできなかった。その他にも自分の中にある方法だけでは解決できない出来事がたくさん出てきて、考えすぎて一度は体調を崩してしまったりもしました。そして、子ども劇場でキャンプのリーダーをしたときに、たった5人の小中学生を相手にするだけでこんなに苦労するのに、小中学校の先生なんてどれだけ苦労しているのだろう、と想像したことを思い出しました。注意するのにもやり方がある。ただ怒るだけではいうことを聞くわけがない。と頭ではわかっていても、じゃあどんなふうに言えば分かってくれるのか、叩かずに、怒鳴らずに注意してわかってもらうにはどうすればいいか、納得して行動してもらうにはどうすればいいか、そのノウハウが全く頭の中になかった。ちゃんとその子の心に届く怒り方だけじゃなくて、導き方というのか、答えを用意するだけではなくてその子に考えてもらう指導の仕方というか…とにかく様々な物が足りなすぎるとわかりました。怒ることや褒めること、教育の現場だけじゃなくて普段の生活でも大切なことを全く学び取っていないのは問題だなあ…と思いました。子どもたちの人格形成に大きな影響を与える先生ならなおさら…教育現場ですべてマニュアル通りにするわけにはいきませんが、ある程度の指針はほしいなと感じました。すべて現場での経験に学ぶのに任せてはいけないとも。何か大きな失敗をしてからでは遅いですし、考えさせられる職業体験でした。114