HOME > 附属研究所 > ヘルスプロモーション実践教育センター > 2011年度 福岡県立大学 公開講座Ⅱが終了しました。
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公開講座Ⅱのテーマは、「子どもたちへの虐待を防止するために、私たちができること」で、以下の内容で3回にわたり開催されました。
第1回目は、福岡県立大学看護学部教授の松浦賢長先生を講師にお招きし、「虐待の現状と課題」について講演していただきました。
講演では、虐待について統計データや研究結果などたくさんの資料をもとに多角的な視点から講義していただきました。当日はあいにくの天候でしたが、多くの方々にご参加いただき、みなさんとても熱心に聞き入っておられました。また、質疑応答の時間には、積極的に質問され、白熱した議論が交わされました。
虐待は現在、大きな社会問題となっていますが、この講演を通して子どもの虐待を防止するために何ができるかを考えるよい機会となりました。
第2回は、「幼児の虐待」をテーマに、福岡県立大学看護学部准教授の宮城由美子先生に小児看護、保育士教育に携わってこられたご経験の中から、虐待の現状を含めてお話いただきました。以下、ご講演の内容です。
幼児期は社会の中で人間として発達するために重要な時期であり、「しつけ」は幼児の発達の特徴を理解した上で、保護と自立を促す双方のバランスが大切です。また子どもの育つ力は、親の育てる力、家族の育てる力、社会の育てる力によって育まれるものですが、現在の社会においてはその育てる力が弱まっていることは否めません。幼児期の支援場面は、乳幼児健康診査・乳児家庭全戸訪問、また保健師による家庭訪問や小児科受診などがありますが、一機関だけでは対応できません。そこで、地域を含むあらゆる関係機関が結集し、子どもの最善の利益を守るために力を合わせることが求められています。
参加者の方からは、個人情報保護の問題を考えながら地域でどのように支援していくか、といった課題を提示して頂きました。
第3回目は、乳幼児の虐待を防止するうえで、保健、福祉、教育、医療関係者等多職種が、子ども・保護者支援においてそれぞれの役割を認識し、実践に生かせる支援に必要な知識を学び、住民を含み子どもの健やかな成長を願う者同士がどのように連携をすればよいか考える機会にいたしました。
まず、基調講演として、「虐待を受けた子どもたちを追いかけて」をテーマに 朝日新聞編集委員である大久保真紀さんを講師にお招きしました。大久保さんは、児童養護施設で生活している子ども達と80日間寝食を共にし、子ども達の声に耳を傾けてきた方です。親から虐待されても拒否されてもなお 親の愛を求める子どもたちの姿や様々な困難にも信頼できる大人と出会うことで生きる力を発揮し、社会に出ていくことができた子ども達のたくましさについて語りかけてくださいました。
シンポジウムでは、メインテーマである「子どもたちへの虐待を防止するための私たちの取り組みと、子どもたちを守るために私たちができること」として、行政機関の取り組みについて話していただきました。
田川市役所の保健師山口のり子さんは「田川市における児童虐待予防システム」について、要保護児童対策地域協議会及び児童相談体制として、早期発見・早期対応がしっかりとできる体制づくりを中心にし、子ども達を社会全体で育てる仕組みを作りたいというメッセージを添えられました。次いで、福岡県田川児童相談所の心理司林田覚さんは「要保護の子どもと親への対応」について、相談所の機能と心理司としての虐待を捉える視点、そして、支援的な関わりの実際について伝えられました。
最後に、直方市役所の保健師香月真美さんは、「乳幼児健診からのフォロー」について、乳児の全戸訪問や養育支援事業について事例を交えてお話され、虐待と言っても、単に問題を見つけるためではなく、子ども達や保護者を支援するために関わっていることを伝えられました。