要約 

 救護施設は生活保護法に基づく施設である。その役割は時代の推移に応じて変化してきた。戦後の混乱期から福祉6法の整備拡充期への移行にともない、その役割は相対的に縮小低下していった。しかし施設数そのものは他の保護施設が軒並み急減したにもかかわらず、むしろ漸増している。そして現在、救護施設は総合的専門施設として、あるいは他福祉法の破れを繕うセーフティネットの施設として、さらには社会的排除に対するソーシャルインクルージョンの施設としての役割を果たしてきている。しかし生活保護施設であるが故のダブルスタンダードという問題がある。そしてこの問題は支援費制度の流れのなかで大きな桎梏となっている。救護施設の進むべき道はどこにあるのか。
 社会的つながりが必要とされる今だからこそ、救護施設はソーシャルインクルージョンの推進施設としてその役割を発揮していくことが強く求められる。

キーワード

生活保護法 セーフティネット ソーシャルインクルージョン ダブルスタンダード 支援費制度