要約

 本研究は、精神障害者の包括的地域リハビリテーションの一つである「クラブハウスモデル」が日本においてどのように展開してきたか、そして日本のクラブハウスモデルの現状と今後の課題がどのようなものであるかを明確にすることを目的にしたものである。この目的を達成するための第1段階として、本号では日本の状況把握をするために必要な枠組みである、クラブハウスモデルとは何かということについて明らかにした。
 まず、クラブハウス発祥の地であるアメリカにおけるクラブハウスモデルの発展過程を整理・分析した。その中で見られたクラブハウスモデルの特徴として、理念・実践における自助・相互支援中心の考え方や一般就労を目指した過渡的雇用プログラム、国際クラブハウス開発センターによる国際的ネットワークの構築を指摘した。
 以上のアメリカでの状況を踏まえ次号では、日本でのクラブハウスモデルの発展過程、クラブハウスの制度化への動向と実践上の課題について論じる。

キーワード

精神障害者地域リハビリテーション、クラブハウス、自助、相互支援、過渡的雇用