要約

 ユーモアに対する態度と対人意識等との関連を分析するために大学生264名を対象とした質問紙調査を行った。質問紙は、ユーモア志向尺度、公的自意識尺度、賞賛獲得欲求・拒否回避欲求尺度、価値観因子尺度、向社会的行動尺度、自己顕示要求尺度、親和要求尺度から成る。相関分析を行った結果、第一に、自己顕示要求や賞賛獲得欲求が高いほど、いずれのユーモア志向も高かった。第二に、攻撃的ユーモア志向が高いほど、博愛的人生観や道徳的人生観が低かった。第三に、遊戯的ユーモア志向が高いほど、公的自意識や拒否回避欲求が高かった。第四に、親和欲求、向社会的行動、協同的人生観、努力的人生観はいずれも遊戯的ユーモア志向、支援的ユーモア志向と関連がみられた。また、因子得点を利用した関連分析を行った結果、目立ちたいという意識がいずれのユーモア志向とも強い関連を示したほか、攻撃的ユーモア志向は社会的規範からの逸脱、支援的ユーモア志向は向社会的行動と強い関連を示していた。

キーワード

ユーモア 対人意識 価値観 自己顕示性